電気炉やマッフル炉などはバットなどに通常サンプルを敷き詰めて焼成処理しますが、表面温度と中心と底で処理温度にばらつきが出て、充分な焼成処理は難しいのが問題です。
そこで
今回お客様からリクエストがあった電気炉やマッフル炉で充分に焼成できない5mm角程度の原料の焼成処理をロータリーキルンでテストしてみました。※通常は粉体の焼成処理が多いです。
テスト機 型式:RKA-2.5-500(バッチ式) キルン(炉)本体は約7.5L程度の容積になりますが処理量(仕込み量)は約1/3倍のMax2.5Lです。
3Kgを600℃、650℃、700℃、750℃、50℃刻みで、それぞれ60分焼成し、途中10分間隔でサンプリングしました。
連続式のキルン(炉)は通常多くて5%程度の接触面になるので装置自体が大きくなりますが、アルファ製キルン(炉)は直径の約30%程度がヒーター接触面になり小型・省スペースです。処理量2.5L~140Lまで対応可能です。
※ラボ用ミニチュアロータリーキルンも制作可能。50cc~
https://www.alpha-kabu.com/product/syousei/rotary-kiln
テストスタートします。
原料には不純物が沢山あります。これをロータリーキルンで焼き切って充分な焼成処理ができるかテストしてみます。
専用の治具でそっと炉内に投入します。
温度仕様は通常、常温~500℃ですが、今回は最高750℃まで高温でテストをしました。温度コントロールも基板パネルから簡単に変更できます。
原料を投入する都度、発炎して発煙しました。発炎に関しては投入する量で調整して、発煙に関しては排気ファンや集塵機などで対応します。
実際の処理の最中に出来上がり具合などの確認で途中サンプリングも可能です。排出温度「341℃」と高温なので注意が必要です。温度は炉内雰囲気温度、炉外温度、製品温度(オプション)の3種類をモニターできます。
CSVデータでSDカードに温度データを記録も可能です。
上手に焼けて不純物がなくなりました。
今回のテストから電気炉で充分な焼成処理ができなかった原料でもロータリーキルンで焼成が可能なことが分かりました。