粉体供給機の比較
目次粉体供給機は、万能ではありません。
どの供給機にも、メリット・デメリットがあります。
それぞれの特徴を理解して、供給機の選定をなさって下さい。
種類 | 振動 フィーダー |
コイル |
サークル フィーダー /テーブルフィーダー |
オーガ式 | アルファ フィーダー |
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供給機構 | |||||
搬送方向 | 横搬送 | 横搬送 | 外周落とし | 中心落とし | 中心落とし |
搬送方法 | 斜め方向に 振動を与え、 粉を移動させる |
軸の螺旋溝で 粉を押し出す |
回転皿の上で 粉を回し、 スクレッパーで 掻き落とす |
軸の螺旋溝で 粉を押し出す |
排出口に粉を ブリッジさせ、 それを スクレッパーで 落とす |
対応粉体 | |||||
流動性良 | 一部可 | 一部可 | 一部可 | 一部可 | 可 |
流動性悪 | 不可 | 可 | 一部可 | 一部可 | 可 |
粒度 | |||||
大きい | ペレット可 | 大きい粒は 不可 |
大きい粒は 不可 |
大きい粒は 不可 |
大きい粒は 不可 |
細かい | 流動性の良いもの ならば、可 |
可 | 可 | 可 | 可 |
計量精度 | 悪い | 普通 | 悪い | 悪い | 良い |
分解能 | 1/15~(1/40) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/40~(1/300) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/10~(1/20) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/10~(1/30) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/5,000~1/10,000 |
装置サイズ | |||||
小型化 | 難しい 小さいと、振動が弱く 粉を搬送できない |
可能 | 難しい 小さいと、粉が 詰まってしまう |
難しい 小さいと、粉が 詰まってしまう |
可能 |
振動(電磁)フィーダー
目次
供給原理
電磁石の力により、供給機を振動させます。
振幅方向を斜め前に設定しており、その力で粉を供給します。
メリット・デメリット
- 低価格
- シンプルな構造
- 全量排出可能
- 対象粉体が限られてしまう(流動性の良い粉・付着性の低い粉のみにしか使用できない)
- ペレットや造粒粉体など、粉が硬く、粒径が1mm以上な粉の使用時に限られてしまう
- 供給機が振動源となる
使用用途
計量機・供給機として使用する場合は、
計量精度・供給精度の求められないおおまかな重量の量りどり作業に対応します。
精度出しが困難なため、アルファでは粉末の搬送を目的として使用します。
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 振幅数
- トラフ幅
- 排出径
振動フィーダーによる粉末の搬送テストの様子です。
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コイルフィーダー・スクリューフィーダー
目次
供給原理
スクリュー(コイル)の回転によって粉を押し出すことで粉を供給します。
- 使用製品:ミリフィーダー
メリット・デメリット
- 低価格
- シンプルな構造
- 対応粉体が多い
- 粉に圧力をかけてしまう
- 低速域になると、脈動が発生する(供給量にムラが生じる)
使用用途
計量精度・供給精度の求められないおおまかな供給に使用します。
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- トラフ径
- コイルピッチ
- コイル径
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粉体供給テストの様子
脈動が発生しています。 |
サークルフィーダー・テーブルフィーダー
供給原理
サークルフィーダー・テーブルフィーダー
ホッパー下の皿もしくは羽根が回転することで供給します。
粉に力がかかりにくい供給方法です。
供給精度は出しにくいです。
メリット・デメリット
- 粉を安定して供給できる
- 投入口を広く確保できる
- 密閉構造にしやすい
- 吐出口を複数設置できる
- 小型化が難しい
- 流動性の悪い粉末は苦手
- 粉末の調整が難しい
使用用途
- 密閉構造化での供給用
- 1つの供給機で複数箇所同時排出が必要なとき
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- スクレッパーの数
- スクレッパーの隙間(大きさ)
オーガ式
供給原理
供給スクリューの回転によって粉を押し出して供給します。
スクリューフィーダーとの違いは、スクリューが縦軸についているか、そうでないかということです。
オーガ式はスクリューが縦軸についているため、脈動が少なく、一定量で供給できます。
メリット・デメリット
- 粉を安定して供給できる
- ライン化しやすい
- 脈動が少ない
- 小型化が難しい
- 流動性の悪い粉末は苦手
- 投入口径が狭い
使用用途
- 粗い計量精度での高速充填
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- スクリューの形状
- 排出口径
アルファフィーダー(ゼロバランサー用供給機)
供給原理
アルファ独自の供給方法です。
テーブルフィーダーの長所とオーガー式の長所を組み合わせた供給原理です。
アルファフィーダー(供給機)はゼロバランサー・ダストディパチャー・ミリゼロ
に使用されている供給機の総称です。
メリット・デメリット
- 粉を安定して供給できる
- 供給精度を高精度にできる
- ホッパーに貯槽した粉末を全量排出することが可能(Y管型のみ)
- 対応する粉の幅が広い(様々な種類の粉末に対応可能)
- 比較的高価
- ペレット等粒径の大きい物は供給不可
使用用途
- 高精度な計量
- 研究目的での計量や、高価な粉体の計量
- 高精度な供給
- 押出機への供給・試験機への供給
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- スクレッパーの数
- 排出フランジ部内の部品
- 排出口径
供給速度が変わっても、 |
すり切り・マス切り供給
供給原理
計量したい容積を算出し、マスを作ります。
そのマスに粉を入れ、あふれた分を擦り切ります。
マスに残った粉の重量を計量値とします。
メリット・デメリット
- 低価格
- 速い
- 精度が出せない
- 流動性の良い粉に限定される
使用用途
単価の安い粉の計量
供給量の調節方法
マスの大きさを変えることで調整します。