液橋力(えききょうりょく)とは
液橋力とは、粉体粒子の間に存在する微量の液体が、粒子同士を引き寄せる力です。
主に液体の表面張力や、粒子間に形成される液体架橋部に生じる毛管力によって発生します。
粉体が湿気を帯びたり、液体を含んだりすると液橋力が大きくなり、乾燥状態とは異なる挙動を示すことがあります。
その結果、流動性の著しい低下や付着、凝集、詰まりなど、さまざまな計量トラブルの要因となります。
液橋力の調べ方
液橋力そのものを直接測定・数値化することは難しいため、粉体の状態や挙動を確認しながら、間接的に評価します。
休止角測定
乾燥状態と湿潤状態で休止角を比較し、液橋力の影響を含む流動性変化を評価します。
水分含有量測定
粉体に含まれる水分量を測定し、付着・凝集の発生しやすさを確認します。
引張強度測定
粉体層の引張強度を測定し、粒子間の凝集力の大きさを評価します。
液橋力の発生メカニズム
液橋力は、主に液体の表面張力と、粒子間に形成される液体架橋部の毛管力によって発生します。
粒子間に液体が存在すると、液体の表面張力によって粒子同士を引き寄せる力が働きます。
また、粒子間にできた液体の界面では圧力差が生じ、この圧力差も粒子同士を引き寄せる力として働きます。
粉体特性に与える影響
- 流動性への影響
粒子間の付着力が高まることで、粉体が流れにくくなり、ホッパーやシュート内で滞留しやすくなります。 -
付着性・凝集性への影響
粒子同士が凝集しやすくなり、塊状になることがあります。また、装置内壁や機械部品への付着が強くなる場合があります。
液橋力によって発生する問題
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ブリッジ現象・ラットホール現象
湿気を含んだ粉体がホッパー内で凝集し、出口付近で詰まりや排出不良を起こすことがあります。 -
機械への付着・詰まり
ホッパー、フィーダー、シュートなどの内壁に付着し、流路の狭小化や詰まりにつながる場合があります。 -
計量精度の低下
凝集塊が発生すると、供給量がばらつき、目標重量への安定した計量が難しくなる場合があります。
液橋力によるリスク管理・対策
機械的な対策
- 乾燥装置の設置(水分量の低減)
プロセス内に乾燥機を組み込み、粉体に含まれる水分を低減し、液橋力が発生しにくい状態にします。 - ブリッジブレーカーの設置(物理的な切り崩しによる流動化)
ブリッジブレーカーやバイブレーター、アジテーターなどを用いて、凝集やブリッジを崩し、粉体の排出を補助します。 - 接粉部の特殊コーティング・表面処理(機器側の滑り性向上による付着軽減)
接粉部にフッ素樹脂コーティングや研磨処理などを施し、粉体の付着を抑制します。機器側の表面摩擦を下げ、粉体が滞留しにくい状態にすることで、スムーズな排出を促します。
制御的な対策
- 温湿度センサーと連動した空調制御(環境湿度の最適化による吸湿防止)
設備周辺の温湿度センサーと工場の空調・除湿機を連動させ、設備周辺の温湿度を管理し、粉体が吸湿しにくい環境を維持します。 - 供給速度の最適化プログラム(安定した流量による凝集の抑制)
PLC制御により粉体の状態に合わせてフィーダーの供給速度を調整し、詰まりや供給量のばらつきを抑えます。 - 間欠運転プログラムの構築(過度な締め固まりの防止と排出の安定化)
連続的に供給し続けるのではなく、必要に応じて供給・停止を組み合わせることで、粉体の過度な締固まりを抑え、安定した排出を促します。




