かさ比重とは
見掛け密度のことです。 嵩比重には特に決まりがなく、粉体の性状を示すのに用いるかさ比重にはいくつか種類があります。
実際の量り方や算出方法によって、種類を分けます。
重さが同じ粉体同士でも、かさ比重が全く異なる場合があります。
そのため、装置のホッパー(貯槽部分)の容積やモーターの強度を選定するのにかさ比重が重要になります。
↓重量が同じような粉末でもかさ比重が全く異なる粉末の例
かさ比重の種類
緩めかさ比重
力を加えず、すりきりをして量ったもの
弊社で通常かさ比重と言うと、こちらの緩めかさ比重のことになります。
きつめかさ比重
容器の中に粉を押しこみ、圧縮させた後に量ったもの
緩めかさ比重との差が大きい粉ほど圧縮性の高い粉となります。
真比重
化学式等で算出されるものです。
空気等を含みませんので、一般的に一番重い値になります。
※こちらの値で容積を算出することは、実態と則していないため、行いません。
緩めかさ比重が重要、真比重は不要
鉄の場合) 真比重:7.9g/cc ゆるめかさ比重:3~4g /cc
真比重(鉄の塊)とゆるめかさ比重(鉄粉末)の比重差は2倍程度あります。
容器に鉄粉8g入れようとした場合、実際は1ccの容器では入り切らず、
その数倍の大きさの容器を用意する必要があります。
※粉末の場合は、真比重で計算してはいけません。
算出の仕方
重量(g)÷体積(cc)
◆かさ比重算出と考慮する点の例
容器100ccに粉を入れて計量したところ重さは30gであった。
(容器の重さは10gであった)
計量値 30g - 容器の重さ 10g = 粉の重さ 20g
粉の重さ20g ÷ 粉の量 100 cc = 粉の嵩比重 0.2
1ccあたりの重さが0.2gである。
決まった条件で算出する真比重に対して、嵩比重は算出条件が決まっていませんので、
同じ種類の粉であっても粒度の違い、温度、湿度の違い、粉に加える圧力によっても変わります。
現場で実際に使っている条件の粉の嵩比重で設計を行います。
かさ比重の調べ方
❶ゆるめかさ比重を調べる
❷きつめかさ比重を調べる
❸上記2つのかさ比重の差で、粉末の圧縮性を考慮する
同じ粉末でも、計測方法によって比重が変わることが分かります。→
かさ比重の比較
同じ重さでも嵩比重の違いで容積が大きく変わります。
容積で容量を決めて設計を行います。
重さは強度計算などに使います。
脱脂綿
かさ比重を考慮しないと
貯槽時
- 思ったよりホッパーに粉が入らない。
- 粉の圧力でモーターが回らない。
排出時
- 思ったより容器に粉が入らない。