パウロ(計量装置+搬送装置の大型機械装置)粉末を配合するタイプ(パウロサーバー型)の計量作業を詳しく説明します。
パウロが行う作業は計量作業のみではなく、容器の搬送や集塵機等の子装置稼働操作などがあります。
ここでは、パウロの全作業の中の計量作業のみをご紹介します。
計量作業概要
パウダーサーバー型のパウロは、
複数種の多種多様な粉末から、
用途に応じて必要な粉末をピックアップし、
計量します。
供給機1台につき、粉末1種を貯槽・計量します。
目的の粉体の供給機まで天びんが自動で移動し、計量レシピ(計量重量や精度のデータリスト)にそって自動計量が行われます。
天びん上には容器が乗せられているため、計量を繰り返すことによって
自動的に1つの容器内に複数の粉末を充填(配合)することができます。
計量動作説明
供給機は複数ありますが、どの供給機でも同じ計量動作が行われます。
ここでは、そのうちの1つがどのように計量動作を行うかを詳しく説明します。
計量の流れ(上記動画中の動きを文章で説明)
➊
作業者がタッチパネル上の「計量位置へ移動」ボタンを押します。
「粉受け」が開き、受け容器を乗せた天びんが、供給機の排出口の下へ移動します。
➋
作業者がタッチパネル上の「スタート」ボタンを押します。
天びんがゼロリセットされ、除電器、集塵機①、集塵機②の電源が入ります。
➌
供給機のシャッターが全開(100%開口状態)になり、大供給が開始されます。
この時、モーター(粉末排出動作の動力源)速度は高速です。
❹
シャッターの開口率が80%、60%と縮小し、中供給になります。
モーター速度も減速し、中速になります。
集塵機の風が天びん値に影響するため、集塵機①(容器付近にあるもの)の集塵力を落とし、集塵機②(風防内上部にあるもの)は停止します。
❺
シャッター開口率が40%になり、精度を出すための計量に切り替わります。
モーター速度が低速になり、除電器が停止します。計量重量が設定値に近づくと、集塵機①も停止します。
❻
計量判定に入ります。設定条件を満たしていればタッチパネル上に「OK」の表示が現れ、計量完了になります。
装置全体と子部品・子装置の動作・状態一覧
装置全体の動作・状態 | 装置内子部品・子装置の動作・状態 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
動作カテゴリ | 具体動作 | 天びん値 | 供給機用モーター速度 | シャッター開口率 | 振動機 | 集塵機① | 集塵機② | 除電器 | 粉受け | |
1 | 計量前移動 | 粉受け開 | 開 | |||||||
2 | 供給機下へ移動 | |||||||||
3 | 計量前準備 | 計量前準備 | OFF | 閉 | OFF | |||||
4 | 計量 | 天びんゼロリセット | 0 | |||||||
5 | 計量開始 | 高速 | 100% | ON | ON | 開 | ON | |||
6 | 大供給開始 | 60 | 高速 | 80% | ON | |||||
7 | 中供給開始 | 80 | 中速 | 60% | ON | 微弱モードON | ||||
8 | 精度出し開始 | 95 | 低速 | 40% | OFF | 閉 | OFF | |||
9 | 判定 | 100 | ||||||||
10 | 計量完了 | |||||||||
11 | 計量後処理 | 待機位置へ移動 | ||||||||
12 | 粉受け閉 | 0% | 閉 | |||||||
13 | 付着防止対策 | ON | ||||||||
14 | 次計量用準備 | ON | 開 | ON |
装置内子部品の役割と必要性
シャッター
供給機に付属されているシャッターは、粉末の供給量を大きく変化させる役割があります。
計量動作の変化に伴い、シャッターの開口率を変えていくことで、供給量の微調整を行っています。
集塵機
空気中に舞い散る粉末を集塵するためには、非常に強い力で吸引する必要があります。
この吸引力が天びん値を不安定にさせるため、天びん値を0リセットするときと、計量完了間際に微量供給をするときにで集塵機の稼働を停止します。
粉受け
使用していない供給機の排出口からこぼれ落ちる粉末を受けて、装置内にこぼれ落ちた粉末が堆積するのを防ぎます。
供給機の使用時に排出口の下から移動し、使用後は再び排出口の下へ戻ります。
振動機
供給機の排出口に粉末が付着するのを防ぐため、振動機でノズルに振動を与えます。 計量の最終段階で、ノズル内に付着した粉末の塊が落ちると、計量がNGになってしまいます。 それを防ぐため、計量初期段階(大供給)からノズルを振動させる必要があります。
除電器
静電気が粉末の計量に悪影響を及ぼしている場合は、粉末が供給機の排出口から受け容器に落下する一瞬の間に除電をする必要があります。 そのため、できるだけ除電能力の高い静電気除去器(除電器)を使います。 しかし、除電器による除電効力は天びん値を不安定にさせる原因になるため、天びん値を0リセットするときと、計量の終盤に微量排出をするときには除電器の電源を切ります。