凝集性(ぎょうしゅうせい)とは
一定の振動を与えたときに(ふるいでふるうなど)、粉体同士で大きな粒となるかどうかを凝集性のありなしで判断します。
大きな粒になりやすい場合は、凝集性が高い、なりにくい場合は、凝集性が低いと表現します。
凝集性のありなしは、粉末を貯槽する際に参考にする要素です。
粉を動かすと、玉になることがあります。
粉同士が何かしらの作用によって集合してしまうことによって発生します。
弊社では、粉を皿の上で動かした際に、玉が発生するかどうかで凝集性ありなしの判断をいたします。
凝集性が高い粉ほど、流れにくいことが多いです。
凝集性が高い粉を、圧力がかかる供給機で供給してしまうと、粉同士が固まり、その固まりが落ちることで、一度に大量に出てしまう脈動と呼ばれる現象を引き起こします。
また、粉が固まることで分散性も悪くなります。
凝集性が高い粉の供給には、アルファフィーダーを使用したアルファ製品が最適です。
凝集性の調べ方
- 容器に粉体を入れて振る
- 凝集性があると、粉体に粒ができる
凝集性の調べ方動画
- 凝集性を調べています。
- 容器に粉体を入れ、振ります。
- 凝集性のある粉体に粒ができ、凝集性
のない粉体には粒ができません。
凝集性の比較
下記粉末は微粉末ですが、凝集性のある粉は、上面から見ると粒状になっていることが分かります。
凝集性と装置に使用する部品
凝集性は、投入シュートや排出シュート等の、粉末の自重を利用する装置箇所に使用される部品を選定する際に考慮します。
投入シュート
粉末がスムーズに流れるような角度を決める際に、凝集性を考慮します。
排出シュート
粉末をスムーズに排出できるような角度を決める際に、凝集性を考慮します。
振動フィーダー
粉末をスムーズに搬送できるような角度を決める際に、凝集性を考慮します。
造粒機
造粒を促すバインダー(添加剤)の選定時に、凝集性を考慮します。
凝集性に起因した装置の不具合
凝集性が強い粉末をかき混ぜてしまうと、粉末の玉がたくさんできてしまいます。
そのような場合には、供給機と貯槽ホッパーを分け、必要以上に回転を与えないようにします。
計量の際には、一粒の玉の大きさが計量精度値になってしまいます。
一粒排出されてしまうだけで、計量オーバーになり、計量合格範囲の計量値を超えてしまいます。
よって、高精度な計量する際には、排出直前に解砕機構を持った、
アルファフィーダーのような供給機を選定する必要があります。
凝集性を考慮しないと、供給したい粉末が玉の固まり状になってしまいます。
さらに、凝集性の高い粉末は、流動性が悪いことが多く、ホッパー内でのブリッジ現象が発生する傾向が多いです。
そのため、ホッパー内に多くの空間率を持った供給機を選定する必要があります。
投入時
- 凝集性が高い場合
粉が流れにくいため、ホッパーに入れにくい。 - 凝集性が低い場合
供給機排出口から粉が勝手に流れだしてしまう。(フラッシング性とも関連)
排出時
- 凝集性が高い場合
圧力がかかる供給機で供給してしまうと、粉同士が固まり、その固まりが落ちることで、
一度に大量に出てしまう脈動と呼ばれる現象を引き起こす。
また、粉が固まることで分散性も悪くなる。 - 凝集性が低い場合
供給機排出口から粉が止まらない。
造粒機
- 転動造粒機の場合は、凝集性がないと、玉になりません。
- 水分を含むと、玉になるかどうかが造粒の可否判断の目安になります。