粉体機器設計・製造・提案

吸湿性

粉体講座

吸湿性(きゅうしつせい)とは

吸湿性(きゅうしつせい)とは、粉体を保管・計量・投入などで取り扱う際、空気中から水分(湿気)を吸収する性質のことです。
粉体は、成分、粒子形状、表面積、作業環境の温度・湿度によって水分の吸いやすさが異なります。
一般的に、①水溶性が高く②粒子が細かく表面積が大きい③多孔質であるほど、空気中の水分を吸収しやすい傾向があります。(例:塩、砂糖、小麦粉、各種薬品や食品添加物など)
水分を吸った粉体は、粒子同士の間に液架橋力が働き、乾燥した状態と比べ、「付着性」「凝集性」「流動性」などに悪影響を及ぼします。
吸湿性は「粉が固結して塊になる」「ホッパーや配管の壁面にへばりつく」「計量精度が狂う」などの設備の排出不良・搬送トラブルの最大の原因になります。
また、カビの発生や化学変化など、製品そのものの品質劣化にも直結するため、粉体ハンドリングにおいて確実な湿度管理と対策が求められる特性です。

吸湿性の調べ方

吸湿性は、対象となる粉体の特性や環境に合わせて以下の方法で測定・評価することができます。

吸湿曲線測定

水分の吸収量から吸湿速度と限界値を測定します。

加熱乾燥法

粉体を加熱して蒸発した水分量を測定します。

流動性評価

通常粉体と吸湿後粉体で比較し、流動性を評価します。

吸湿性の影響​

吸湿性によって粉体が受ける影響は、主に以下の三つに分類されます。

固結

吸湿した粒子同士が強く結びつき、石のような硬い塊になる。

特徴

付着・残留

吸湿した粉体が粘り気を持ち、機器の内壁などにこびりつく。

特徴 

  • 排出不良・歩留まりの低下
  • 計量精度の悪化
  • 清掃作業の負荷増大
品質の劣化

吸収した水分が原因となり、粉体そのものの状態が悪化する。

特徴

  • 有効成分の劣化・化学変化
  • カビや細菌の繁殖
  • 変色や物性の変化

吸湿性リスクへの対策

機械的な対策
  • 作業環境の空調・湿度管理(環境からの吸湿防止)
    工場内の空調設備や産業用除湿機を用いて、室内の湿度を年間通して一定に保ち、粉体が空気に触れても吸湿しにくい環境を作ります。
  • 装置の密閉化とドライエアーパージ(外気の遮断)
    ホッパーやシュートなどの接続部を密閉構造にし、装置内部に乾燥空気(ドライエアー)や窒素を微量に流し続けることで、内部を低湿度状態に保ちます。
  • 撹拌機・ノッカーの設置(物理的な解砕)
    吸湿によって粉体が固結しブリッジを形成するのを防ぐため、固まった粒子に衝撃を与える機器を設置して粉体の流動状態を維持します。
  • 撥水性・非粘着性コーティングの採用(付着の軽減)
    粉体が触れる機器の内面に、テフロン(PTFE)コーティングや特殊な表面処理を施し、水分を含んだ粉体でも滑りやすく付着しにくい構造にします。
制御的な対策
  • 滞留時間の最小化(放置による吸湿・固結の防止)
    PLC制御により、ホッパー内に粉体を長時間滞留させない生産サイクルを構築します。作業終了時には機内の粉体を自動で全量排出するシーケンスを組み込み、貯槽内での固結を防ぎます。
  • 定期的な自動撹拌・排出動作(間欠運転による付着の抑制)
    設備が待機状態にあっても、一定時間ごとにフィーダーを短時間稼働させるプログラムを設定し、粉体が静置されて固まるのを防ぎます。
  • 温湿度センサーとのインターロック制御(吸湿環境の管理)
    工場内やホッパー内の湿度センサーと制御盤を連動させ、規定の湿度を超えた場合の自動アラーム発報や、ドライエアーの供給量増加など、環境変化に追従するシステムを構築します。

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