流動性
流動性とは
粉体は、外から力が作用した時にある一定の力までは静止していて、力の限界を超えると急に流れ出すという特徴を持っています。これを粉体の流動性といいます。
流動性が高い粉体は砂時計のような顆粒状のものが多く、粉体を高い位置から落とした時に、円錐状になりにくく、底辺の広がりもあまりありません。
このような粉体の山の斜面と水平面のなす角度を安息角といい、粉体の流動性を評価するために必要な粉体の性状となります。
円錐状の底辺が広がり、
安息角の小さい粉末
流動性が高い
安息角 20度
シリカ
円錐状の底辺が広がり、
安息角が大きい粉末
流動性が低い
安息角 60度
関東ローム(赤土)
また、かさ比重も粉体の流動性を評価するために必要な粉体の性状です。
緩めかさ比重ときつめかさ比重の比から圧縮度を求め、流動性を評価します。
圧縮度が小さいと流動性は高く、逆に大きいと流動性が低いと評価します。
このように、流動性を見るためには、色々な角度から測定し、総合的に判断しなければなりません。
流動性の調べ方
- 粉体を容器に入れる
- 傾け回し、粉体の動きを見る
流動性の調べ方動画
- 流動性を調べています。
- 容器を傾け、回します。
- 流動性の良い粉だと、サラサラと動きます。
- 流動性の悪い粉だと、ボサボサと動きます。
流動性の比較
流動性の高い粉は、円錐の底辺が広がり、サラサラの顆粒状のものが多いです。
流動性の使用場面
流動性は、投入シュートや排出シュート等の、粉末の自重を利用する装置を選定する際に使用します。
投入シュート
- 粉末がスムーズに流れるように投入シュートの角度を選定する際に使用します。
排出シュート
- 粉末をスムーズに排出できるように、角度を調整する際に使用します。
振動フィーダー
- 粉末をスムーズに搬送する際の角度調整に使用します。
流動性を考慮しないと?
投入時
- 流動性が低い場合
ホッパーに思ったほど粉が入らない。 - 流動性が高い場合
供給機排出口から粉が勝手に流れだしてしまう。(フラッシング性とも関連)
排出時
- 流動性が低い場合
振動フィーダーなどの横搬送時、粉が流れにくい。 - 流動性が高い場合
供給機排出口から粉が止まらない。