静電性(せいでんせい)とは
静電性(せいでんせい)とは、粉体を投入・排出・搬送などで取り扱う際、摩擦や衝突などによって粒子表面に電荷が蓄積し、静電気を帯びる性質のことです。
粉体は、その物質の種類、粒子径、形状、作業環境によって帯電のしやすさが異なります。
一般的に、①絶縁性が高く、②粒子が細かく、③乾燥しているほど、静電気を帯びやすい傾向があります。
帯電した粉体は、同じ極性の電荷を持つ粒子同士で反発し合う、または、異なる極性の電荷を持つ壁面や粒子に付着するなど、通常の粉体とは異なる働きをすることがあります。
これらの挙動は粉体の「付着性」「流動性」「凝集性」「発塵性」などに多大な影響を与えます。
静電性は「帯電した粉体が壁面やホッパーに付着し、排出不良やブリッジ現象の原因になる」、「粒子同士が凝集し混合が不均一になる」、「細かな粉体が飛散し作業環境を悪化させる」といったトラブルの原因にもなる要素です。
また、蓄積した電荷が放電する際のバチッとしたスパークが火種となり、粉塵爆発が引き起こされる可能性もあるため、安全管理上、非常に重要な特性です。
静電性の調べ方
静電性は、対象となる粉体の大きさや性質によって以下の方法で測定することができます。
帯電量測定法
粉体全体の帯電電荷量を測定します。
表面電位測定法
粉体層の表面電位を測定します。
帯電特性評価法
特定の帯電プロセス下での帯電量を評価します。
静電性の影響
静電性によって粉体が受ける影響は、主に以下の三つに分類されます。
付着
帯電した粒子が壁面や他の粒子に付着する。
特徴
- 排出不良
- ブリッジ
- 壁面付着によるロス
凝集
帯電した粒子同士がくっつき合い、塊になる。
特徴
- 混合不均一
- 造粒不良
- 流動性低下
飛散
帯電した細かい粒子が反発し、舞い上がる。
特徴
- 異物混入(コンタミネーション)
- 作業環境悪化
- 衣服への付着
静電性リスクへの対策
機械的な対策
- 接地の徹底(蓄積した電荷を逃がす)
機器、配管、ホッパーなどの接続部を含めて完全に接地し、摩擦や衝突で発生した電荷を安全に外部へ逃がす構造を採用する。 - 除電器の設置(強制的な電荷の中和)
粉体が空気と触れたり激しく動く箇所(投入口、輸送ライン、ホッパー内部など)に除電器を設け、イオンを発生させて帯電した粉体を中和させる。 - 加湿設備による湿度管理(導電性の向上による帯電防止)
空調設備や加湿器を用いて環境湿度を高めに保ち、粉体表面の水分量を確保することで導電性を上げ、静電気の発生と蓄積を抑制する。 - 適切な機器材質の選定(摩擦帯電の抑制)
粉体の特性に合わせて、摩擦帯電しにくい材質を機器や配管の内面に採用する。
制御的な対策
- 輸送・供給速度の制御(摩擦と衝突の低減)
インバーター等でフィーダーや搬送機器を低速で動かすようプログラム上で設定し、粉体同士や壁面との激しい摩擦・衝突を減らして帯電を抑える。 - 材料投入順序の最適化(帯電影響の最小化)
複数原料を扱う際、帯電しやすい粉体を最後に投入するようPLCでシーケンス制御を行い、システム全体への静電気の影響を制御する。 - 排出条件の自動制御(過充電の防止)
モーター回転数や運転時間をPLCで細かく制御し、必要以上の摩擦エネルギーを与えずに、過度な帯電を防ぎながら均一に排出するシステムを構築する。




