一般的な粉体計量装置における供給機の特徴や性能をご紹介します。
アルファ製の粉体計量装置とも比較して頂ける内容を載せております。
様々な供給機構を知った上で、どの供給機を選んだらよいかもご紹介しております。
粉体計量の方法と供給機
一般的な計量装置
一般的に計量に使用される装置には、
「振動フィーダー」「コイルフィーダー/スクリューフィーダー」「サークルフィーダー/テーブルフィーダー」「オーガ式充填機」があります。
それぞれの計量方法は以下の通りです。
▲振動フィーダー
斜め方向に振動を与え、
粉を移動させることで排出し、
計量する
▲コイルフィーダー
/スクリューフィーダー
軸の螺旋溝で
粉を押し出して排出し、
計量する
▲サークルフィーダー
/テーブルフィーダー
回転皿の上で粉を回し、
スクレッパーで掻き落とすことで排出し、
計量する
▲オーガ式充填機イメージ図
軸の螺旋溝で粉を押し出すことで排出し、
計量する
アルファの計量装置
アルファの計量・供給装置は主に以下の4タイプがあります。
いずれの装置も計量(供給)方法は同じですが、使用する供給機の種類は計量条件や粉の性状によって異なります。
▲ゼロバランサー
▲ミリフィーダー
▲ミリゼロ
▲パウロ
(計量装置+その他作業用ロボット)
◆アルファの供給方法◆
排出口に粉をブリッジ(堆積)させ、それをスクレッパーで落とす
粉体計量装置と計量可能な重量・精度
上記でご紹介した装置を、横軸を計量重量、縦軸を計量精度・分解能で作成された表上で示すと以下のようになります。
アルファのゼロバランサーやミリゼロは、精度の高い計量に特化していることが分かります。
また、ミリフィーダーやサークルフィーダーの製作も得意としているため、
アルファの計量装置はあらゆる計量条件に適応可能です。
粉体供給機の種類別比較
各粉計量装置には、その供給方法においてメリットとデメリットがあります。
それぞれの特徴を理解して、ご使用目的に最適な装置をご使用下さい。
種類 | 振動 フィーダー |
コイル フィーダー /スクリュー フィーダー |
サークル フィーダー /テーブルフィーダー |
オーガ式充填機 | アルファ フィーダー |
◆供給機構◆ | |||||
粉末搬送方向 | 横搬送 | 横搬送 | 外周落とし | 中心落とし | 中心落とし |
計量(搬送)方法 | 斜め方向に 振動を与え、 粉を移動させる |
軸の螺旋溝で 粉を押し出す |
回転皿の上で 粉を回し、 スクレッパーで 掻き落とす |
軸の螺旋溝で 粉を押し出す |
排出口に粉を ブリッジさせ、 それを スクレッパーで 落とす |
◆対応粉体◆ | |||||
流動性の良いもの | 一部可 | 一部可 | 一部可 | 一部可 | 可 |
流動性の悪いもの | 不可 | 可 | 一部可 | 一部可 | 可 |
◆粒度◆ | |||||
大きい | ペレット可 | 大きい粒は 不可 |
大きい粒は 不可 |
大きい粒は 不可 |
大きい粒は 不可 |
小さい | 流動性の良いもの ならば、可 |
可 | 可 | 可 | 可 |
計量精度 | 悪い | 普通 | 悪い | 悪い | 良い |
分解能 | 1/15~(1/40) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/40~(1/300) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/10~(1/20) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/10~(1/30) ( )は大供給と小供給の並列使用 |
1/5,000~1/10,000 |
◆装置サイズ◆ | |||||
小型化 | 難しい 小さいと、振動が弱く 粉を搬送できない |
可能 | 難しい 小さいと、粉が 詰まってしまう |
難しい 小さいと、粉が 詰まってしまう |
可能 |
各供給機の特徴
振動フィーダー
供給原理
電磁石の力により、供給機を振動させます。
振幅方向を斜め前に設定しており、その力で粉を供給します。
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 振幅数
- トラフ幅
- 排出径
メリット
- 低価格
- シンプルな構造
- 全量排出可能
デメリット
- 対象粉体が限られてしまう(流動性の良い粉・付着性の低い粉のみにしか使用できない)
- ペレットや造粒粉体など、粉が硬く、粒径が1mm以上な粉の使用時に限られてしまう
- 供給機が振動源となる
使用用途
計量機・供給機として使用する場合は、
計量精度・供給精度の求められないおおまかな重量の量りどり作業に対応します。
精度出しが困難なため、アルファでは粉末の搬送を目的として使用します。
搬送中の様子
振動フィーダーによる粉末の搬送テストの様子です。
振幅:強
使用粉末:重曹
テスト項目:粉末の搬送速度
コイルフィーダー・スクリューフィーダー
供給原理
スクリュー(コイル)の回転によって粉を押し出すことで粉を供給します。
アルファの計量装置では、ミリフィーダーの供給機構に用いられています。
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- トラフ径
- コイルピッチ
- コイル径
メリット
- 低価格
- シンプルな構造
- 対応粉体が多い
デメリット
- 粉に圧力をかけてしまう
- 低速域になると、脈動が発生する(供給量にムラが生じる)
使用用途
計量精度・供給精度の求められないおおまかな計量や供給作業に使用します。
供給中の様子
サークルフィーダー・テーブルフィーダー
供給原理
サークルフィーダー・テーブルフィーダー
ホッパー下の皿もしくは羽根が回転することで供給します。
粉に力がかかりにくい供給方法です。
供給精度は出しにくいです。
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- スクレッパーの数
- スクレッパーの隙間(大きさ)
メリット
- 粉を安定して供給できる
- 投入口を広く確保できる
- 密閉構造にしやすい
- 吐出口を複数設置できる
デメリット
- 小型化が難しい
- 流動性の悪い粉末は苦手
- 粉末の調整が難しい
使用用途
- 密閉構造化での供給用
- 1つの供給機で複数箇所同時排出が必要なとき
オーガ式充填機
供給原理
供給スクリューの回転によって粉を押し出して供給します。
スクリューフィーダーとの違いは、スクリューが縦軸についているか、そうでないかということです。
オーガ式充填機はスクリューが縦軸についているため、脈動が少なく、一定量で供給できます。
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- スクリューの形状
- 排出口径
メリット
- 粉を安定して供給できる
- ライン化しやすい
- 脈動が少ない
デメリット
- 小型化が難しい
- 流動性の悪い粉末は苦手
- 投入口径が狭い
使用用途
- 粗い計量精度での高速充填
アルファフィーダー(アルファ製品用供給機)
供給原理
アルファ独自の供給方法です。
テーブルフィーダーの長所とオーガー式充填機の長所を組み合わせた供給原理です。
アルファフィーダー(供給機)はゼロバランサー・ダストディパチャー・ミリゼロという製品に使用されている供給機の総称です。
メリット
- 粉を安定して供給できる
- 供給精度を高精度にできる
- ホッパーに貯槽した粉末を全量排出することが可能(Y管型のみ)
- 対応する粉の幅が広い(様々な種類の粉末に対応可能)
デメリット
- 比較的高価
- ペレット等粒径の大きい物は供給不可
供給量の調整方法
以下の項目を変更することで調整します。
- 供給機用モーターの回転数
- スクレッパーの数
- 排出フランジ部内の部品
- 排出口径
使用用途
- 高精度な計量
- 研究目的での計量や、高価な粉体の計量
- 高精度な供給
- 押出機への供給・試験機への供給
供給中の様子
使用供給機:ゼロバランサー
メッシュサイズ:#12
供給速度が変わっても、
安定して供給出来ています。
すり切り・マス切り供給
供給原理
計量したい容積を算出し、マスを作ります。
そのマスに粉を入れ、あふれた分を擦り切ります。
マスに残った粉の重量を計量値とします。
供給量の調整方法
マスの大きさを変えることで調整します。
メリット
- 低価格
- 速い
デメリット
- 精度が出せない
- 流動性の良い粉に限定される
供給量の調整方法
マスの大きさを変えることで調整します。
供給機の選び方
一般的な粉体装置に使用される供給機(供給方法)の中から、どの種類を選んだらよいのかを以下のチャートで示しています。
使用目的ごとに最適な供給機の種類が示されていますので、ご参考になさって下さい。
アルファオリジナルの供給機(アルファフィーダー)を含んだ供給(計量)装置一式が「ゼロバランサー」です。