天びん比較ガイド
特定天びんは、日本の計量法に基づき、取引や証明に使用される計量器の一種で「特定計量器」として分類されます。
この種の計量器は、正確な計量を確保するために厳格な基準が設けられており、国家検定を受ける必要があります。
(令和7年1月現在)
01.特定天びんの特徴
02.特定天びんの重要性
03.選定時のポイント
04.特定天びんの目量について
05.特定天びんの国家検定について
06.まとめ
※アルファでは天びん単体の販売はしておりません。こちらの記事は天びん選定の参考資料としてお役立てください。
01. 特定てんびんの特徴
1. 使用目的
・「取引」:有償・無償を問わず、物やサービスの提供を目的とする業務行為。
・「証明」:公的または業務上、一定の事実が真実であることを示す行為。
・例として、肉屋での重量販売や薬局での調剤などが挙げられます。
2. 検定の必要性
・特定天びんは、計量法に基づく技術基準(例:JISB7611-2)に適合していることを確認するため、検定を受ける必要があります。
・検定に合格した計量器には「検定証印」や「基準適合証印」が付与されます。
3. 定期検査
・特定天びんは、2年に1度の定期検査を受ける義務があります。
この検査では、使用中の計量器が一定の精度を維持しているか確認されます。
4. 精度等級
・特定天びんの精度は「目量(最小表示)」や「目量の数(最大重量/目量)」によって分類され、1級から4級までの等級があります。
これにより、使用目的や必要な精度に応じた選定が可能です。
5. 使用地域の考慮
・重量加速度の違いにより計量結果が変わるため、使用地域に適した天びんを選ぶ必要があります。
02. 特定天びんの重要性
特定天びんは、取引や証明における正確な計量を保証するために不可欠です。
これにより、公平性や信頼性が確保され、商取引や業務の透明性が向上します。
また、計量法に準拠することで、法的なトラブルを回避することができます。
03. 選定時のポイント
・使用目的(取引・証明)に応じた検定付き天びんを選ぶ。
・必要な精度や最大重量に基づいて適切な製品を選定する。
・使用地域の重力加速度に適合した天びんを選ぶ。
特定天びんは、計量法に基づく厳格な基準を満たすことで、正確かつ信頼性の高い計量を実現します。
04. 特定天びんの目量について
特定天びんの目量(最小表示)は、計量法に基づき、取引や証明に使用される計量器として定められた基準を満たす必要があります。
この目量は、天びんの種類や精度等級によって異なります。
特定てんびんの目量の下限
・非自動はかり(特定天びんに該当するもの)の場合、目量は10mg以上である必要があります。
・目量が10mg未満の天びんは、特定計量器として認められず、取引や証明には使用できません。
精度等級と目量の関係
特定天びんは、精度等級に応じて目量が設定されます。
例えば、精密な計量が求められる場合には目量が小さい天びんが使用されますが、特定天びんとして使用する場合は、最低でも10mg以上の明瞭が必要です。
05. 特定天びんの国家検定について
特定天びんの国家検定は、日本の計量法に基づき、取引や証明に使用される計量器が適切な精度と性能を持つことを確認するために行われる重要な手続きです。
この検定は、計量器が法的基準を満たしていることを保証し、取引や証明における信頼性を確保する役割を果たします。
検定の目的
・特定天びんが計量法で定められた技術基準に適合しているかを確認します。
・検定に合格した天びんには「検定証印」または「基準適合証印」が付与され、これにより取引や証明に使用可能となります。
検定の対象
・特定天びんは、取引(有償・無償を問わず物やサービスの提供を目的とする行為)や証明(公的または業務上の事実確認)に使用される計量器です。
検定の実施機関
・検定は都道府県の計量検定所や、経済産業大臣が指定した製造事業者によって実施されます。
指定製造事業者は、自社で製造した計量器を検査し、基準適合証印を付与することが認められています。
06. まとめ
計量法施工令第二条に定められているように「特定計量器は、目量が10mg以上であって、目盛標識の数が100以上のもの」です。
注意点
一般のはかりにたいして「特定天びん」は法的な制限を受けるため、以下のことができません。
①購入した時に設定した地域と違う場所で使用する。(ただし定期検査に合格すれば使用できる)
②お手持ちの分銅でキャリブレーション(校正)を行う。
例)・計量した値がずれてきたので、分銅を使って構成を行う
・重力加速度を調整する
③ポールの取り外し、ケーブルの延長、計量皿の形状変更はできない。
※風袋として計量皿に何かをのせることは除く
アルファ株式会社では、天びんの使用において改造は行っておりません。
改造が施された天びんは、計量器としての信頼性や精度が保証されなくなるだけでなく、国家検定を受けた特定計量器としての要件を満たさなくなるため、取引や証明に使用することはできません。