アルファ製品の制御面について解説します。
アルファの粉体計量・供給装置がどのような仕組みで計量や供給を行っているかを、ソフト(制御)の観点でお伝えします。
制御の概略
◆計量・供給作業中に行われていること
❶装置が天びんの示す重量値(天びん値)を読み取ります。
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❷天びん値が小さいときには供給機のモーターの回転速度を速くします。
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❸しだいに天びん値が大きくなってくると、予め設定した条件に沿って、供給機のモーターの回転速度を変えていきます。
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❹天びん値が重量値に近づくと、供給機のモーターの回転速度を落としていきます。
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❺設定重量値にから既に排出した重量値を引いた、残りの重量(残量)が落差補正として設定した値になると、供給機のモーターが停止します。
※供給機のモーターの回転速度は、粉末の排出を促す部品(スクレッパー)の回転速度と同じです。
計量中は、イラスト上のスクレッパーの回転が速い状態から遅くなる状態に変化します。
他の制御方法との比較
マス計量
マスのような容積が量れる受け容器に、粉末を投入し、容器からはみ出した粉末を取り除いくことで粉の分量を量る方法。
量りたい量と、実際にマス計量して出した粉末量に大きな違いが出ることが少ないため、生産現場では主流となっている方法。
時間制限
指定した時間になったら粉末の排出や供給を止めることで、その時間内に出された量を計量値とする方法。
量りたい量が微量である場合には使用するのが難しい方法。
いずれの場合も…
精度が細かい計量には不向き
多種多様な粉末に万能ではない
以下のような課題が発生
マス計量
少量、又は微量の計量をしたい場合、マスのような容積が量れる受け容器が非常に小さくなるため、粉末が容器にうまく入らないという問題が出てきます。
また、計量に使用したい粉末の性状によっても、小径容器にうまく入らない場合があります。
例えば、ふわふわした粉では容器内に空洞ができてしまったり、投入時の発塵(粉の舞い上がり)がひどくなり、容器内へうまく入っていかないなどの問題が発生します。
逆に、しっとりと重たい粉は容器内で固まってしまい、容器から容易に取り出しにくくなるという問題も発生することがあります。
時間制限
量りたい量が微量である場合、指定する時間が短くなりすぎて制御が難しくなります。
また、計量に使用したい粉末の性状によっても、短時間での制御(排出促進、又は排出抑制)が非常に難しい場合があります。
例えば、さらさらした流れやすい粉は、排出を止めた瞬間にピタっと粉が出なくなることがなく、意図しない分量が流れ出てくることがあります。すると、必要以上の量が出やすくなり、必要な重量をオーバーしてしまう問題が発生しやすくなります。
さらに、時間制限の場合、実際に量った重量が精度の規定内に納まっているかや、過不足の判断などが計量後になるため、仕損品を少なくするなどの対策がしにくくなります。
アルファ独自の制御方法で解決できます
制御機能のご紹介
アルファ製品では、装置に付属しているタッチパネルで以下のような機能を使って計量や供給を制御します。
計量作業に適したメニュー「計量メニュー」と、供給作業に適したメニュー「供給メニュー」があります。
それぞれ選択できるモードがいくつかあり、作業条件に最適なモードを選んで制御します。
供給量判定モード
現在のセッティングで、設定量を目標時間で供給するには
どこくらいの速さで動かすのかを自動判定します。
例)7gを3秒で供給→テスト結果 10000pps
1gを3秒で供給→テスト結果 5000pps
計量モード
設定値、設定時間で計量ができるよう、
速度を調整しながら計量を行います。
例)20g±10mgを10秒で計量
10g±1mgを10秒で計量 等
一定速モード
一定の速度を入力し、供給される量を確認します。
例)3000pps で 50秒 供給 等
変速モード
指定された供給速度で供給できるように、
速度を調整しながら供給を行います。
供給する総量に制限はありません。
例)5g/分 3時間供給
2g/分 12時間供給 等
変速供給計量モード
指定された供給速度で供給し、
設定重量になったら供給を停止します。
例)2g/分のペースで20gを供給
10g/分のペースで50gを供給 等